鳥居正宏のときどきLOGOS

EU宗教政策諮問委員会(Y.S.E.E.)メンバー、アムネスティ・インターナショナル会員、社会民主党党員の鳥居が、政治・社会・文化・国際問題などについて、時々に感じることを個人的に書き綴ります。 (C)無断転用・無断転載不可。全ての記事の著作権は鳥居正宏にあります。

これから、2つの憲法の条文と、2つの憲章の前文を紹介します。


まず、中米・コスタリカの憲法。


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『コスタリカ共和国憲法』(1948年施行)


第12条
恒久制度としての軍隊は廃止する。公共秩序の監視と維持のために必要な警察力は保持する。


大陸間協定により又は国防のためにのみ、軍隊を組織することができる。いずれの場合も文民権力に常に従属し、単独又は共同して、審議することも声明又は宣言を出すこともできない。


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そしてお馴染みの我が『日本国憲法』。



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『日本国憲法』(1947年施行)


第9条
日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。


前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。


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コスタリカでは、たび重なる激しい内戦の反省から『日本国憲法』より1年後に、常設の軍隊を廃止すると「憲法」で明確に定め、そのとおり、永世中立国宣言をして、現在も常備軍は保持していません。ただし国防のためにのみ軍隊を編成することはできますが、これも上記第12条第2項の規定により、文民支配下でのみ行動を許されると、その行動を厳しく徹底して制限しています。


これは、我が『日本国憲法』第9条よりもさらに具体的に踏み込んだ規定となっていると言えるでしょう。


しかし我が『日本国憲法』においても、「武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」と明確に規定していることは、周知の事実です。


この『コスタリカ共和国憲法』第12条も『日本国憲法』第9条も、どちらも戦争の惨劇、軍隊という国家権力による暴力組織の凄まじい蛮行からの深い反省にたって定められたものです。


私たち日本人の立場からみれば、『コスタリカ共和国憲法』第12条は、第2の『日本国憲法』第9条と言えるでしょう。



次に『国連憲章』の前文。


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『国際連合憲章』(1945年10月24日 効力発生)


われら連合国の人民は、


われらの一生のうちに二度まで言語に絶する悲哀を人類に与えた戦争の惨害から将来の世代を救い、


基本的人権と人間の尊厳及び価値と男女及び大小各国の同権とに関する信念をあらためて確認し、


正義と条約その他の国際法の源泉から生ずる義務の尊重とを維持することができる条件を確立し、


一層大きな自由の中で社会的進歩と生活水準の向上とを促進すること、並びに、このために、


寛容を実行し、且つ、善良な隣人として互いに平和に生活し、


国際の平和及び安全を維持するためにわれらの力を合わせ、


共同の利益の場合を除く外は武力を用いないことを原則の受諾と方法の設定によって確保し、


すべての人民の経済的及び社会的発達を促進するために国際機構を用いることを決意して、


これらの目的を達成するために、われらの努力を結集することに決定した。


よって、われらの各自の政府は、サン・フランシスコ市に会合し、全権委任状を示してそれが良好妥当であると認められた代表者を通じて、この国際連合憲章に同意したので、ここに国際連合という国際機関を設ける。


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そして『日本国憲法』の前文。



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『日本国憲法』(1947年施行)


日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。


日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理念を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。


われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。


日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理念と目的を達成することを誓ふ。


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これら2つの憲法の条文と2つの憲章の前文には、共通する精神を読み取ることができるのではないでしょうか?


すなわち、戦争の惨劇を深く反省し、二度と戦争は起こさないという強い決意。


そしてコスタリカの憲法の条文と国連憲章ともに、我らが『日本国憲法』の精神が存在しているということは、まさに日本国が「国際社会において、名誉ある地位を占め」ていると言えるでしょう。


この我らが『日本国憲法』から、9条などを改め、日本が再び戦争をする国になってしまうことは、「国際社会において、名誉ある地位」を放棄する愚行なのではないでしょうか?


現政府や改憲派の言う「普通の国」とは、アメリカなどを意識してのことなのでしょう。しかし、アメリカは、建国からの歴史が浅い新興国であるにもかかわらず、歴史上もっとも多くの人間を殺してきた(いまも殺し続けている)国であり、世界一の犯罪大国であり、世界一の銃が氾濫している社会、すなわち「銃を使用する」という、世界一の暴力に満ち溢れた社会です(そして日本も徐々にそうなってきていますよね)。


私は、これが「普通の国」だとは到底思えません。どう考えても「狂気の国」「狂いきってしまった社会」にしか見えません。


1940年代後半に世界中が戦争の惨劇を深く反省し、二度と戦争は起こさないという強い決意を示した、その反省と決意を、私たちは永久に、これを忘れてはなりません。(了)



【参考とした文献】


1. 土井たか子・佐高信 『護憲派の一分』 角川書店 2007
2.『六法全書』 三修社 2002
3.『解説 条約集』 三省堂 2003



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テーマ:政治・経済・時事問題 - ジャンル:政治・経済

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