本日(2008年2月13日)、午前10時30分より、大阪地方裁判所第807号法廷にて、第1回目の口頭弁論に臨みました。私が弁護士なしの自力・独学で訴状を書き、大阪弁護士会所属の女性弁護士を債務不履行で訴えた民事裁判です。私にとって生まれて初めての裁判です。
今朝の大阪はとても寒く、冷たい空気がカーンと張り詰めたような緊張感の漲る朝でした。
私は、黒のスーツに、私にとって最も縁起の良い、英国製の艶と深みのあるエンジ色のネクタイ。金色のタイピン。スーツの襟にはバッジ。内ポケットには1800年代に英国で製造されたモデルの懐中時計(レプリカ)。首からはギリシアの神様のお護りペンダントをかけ、その上に膝下まである濃紺のカシミアのロングコート、エンジ色のマフラー、茶色の手袋という、私のお気に入りの「勝負服」「勝負装備」で臨みました。
鞄の中には、必要書類等のほかに、デジタルカメラと「私の心の弁護士さん」片山哲さんの写真を忍ばせていました。
地下鉄に乗り、北浜駅で降りて、私のお気に入りの建物の1つである中央公会堂(中之島公会堂)の前を歩いて裁判所へ向かいました。
裁判所内の807号法廷に到着したのが10時5分。開廷していましたが、法廷内にはまだ書記官が入り口を入ってすぐのところに1人しかおられませんでした。
私は「期日呼出状」と身分証明書(運転免許証)を書記官に提示して、法廷内に入りました。法廷内には、まだ私以外には書記官さんしかおられませんでしたので、私は法廷内の写真撮影を願い出ましたが、「申し訳けございませんが、写真撮影は禁止となっておりますので・・・」と、優しく断られてしまいました。残念。
私は傍聴席に座り、自分の訴状と被告の答弁書をゆっくりと読み返していました。
10時20分すぎに、男性2人、女性1人の、計3人の人が入ってこられました。そのうち1人の男性と1人の女性は傍聴席に、そして残り1人の男性は被告人席に座られました。傍聴席に着席した1組の男女は、私と面識のない人でした。
10時25分。裁判長と1人の裁判官が入廷され、裁判長が「少々早いですが、揃ったようですので、始めてもよろしいですか」と皆に尋ねられました。そのあとすぐに、私は書記官に原告席へと招かれました。私が傍聴席から原告席へ移動する時に、裁判長が私に軽く会釈された(というか、とても優しい目で微笑まれた)ことが、強烈に印象に残っています。裁判長も裁判官も書記官も、3人とも、とても物静かで穏やかな雰囲気の人でした。
書記官が、皆にむかって事件番号を読み上げ、いよいよ裁判が始まりました。
そうです!
これで「揃った」のです!
即ち、被告は自身が弁護士であるのに、自分の弁護を依頼した男性弁護士に任せて、本人は法廷にすら姿を見せなかったのです!
被告側の弁護士は、私よりも随分若く見え、背の低い人でした。
私が感じた法廷の雰囲気は、緊張感のなかにも少しだけ和やかさを感じ取っていましたが、ただ被告側弁護士だけは終始うつむいたままで、裁判長とも私とも目を合わせず、顔をこわ張らせて、声も小さく、何を言っているのかがハッキリと聞き取れないような状況でした。
さて、定刻より5分早く始まった裁判ですが、裁判長と裁判官が、まず私の訴状・証拠書類の数と内容に間違いがないか、不備はないかを確認され、次に被告側の答弁書・証拠書類を同じように確認されました。
そして、裁判長が(私が急遽、被告の答弁書に反論する形で2月9日の夜に速達便で裁判所に郵送し、2月12日の朝に裁判所に到達した「上申書」について)私に「この上申書を正式な審理の対象の文書とされますか」と問われましたので、私は「はい。お願い申し上げます」と答えました。
すると裁判長は、その私の上申書を被告側弁護士に裁判官を通して手渡され、「このような上申書が原告から被告の答弁書に反論し、誤りを指摘する形で提出されています。どうですか」と尋ねられました。
被告側弁護士は「上申書」を受け取って、ひと通り目を通した後、裁判長に「これについては、複写したものを送っていただき、検討させていただいて、その内容も含めて次回に陳述いたします」と述べ、その「上申書」を裁判官を通じて裁判長に返却されました。その時の被告側弁護士の手が震えていた事を私はハッキリと見ました。
裁判長は私に「では、できるだけ早く上申書をコピーして、裁判所に提出してください。裁判所から被告側に送致します」と言われたので、私は「はい。このあとすぐに、近くのコンビニでコピーをとり、時をおかずに第11民事部(私の事件の担当部署)に提出いたします」と答えました。
してやられました。相手の時間稼ぎ。でもこれは、事務手続き上の問題であり、私が急遽上申書を提出したことにも原因があるので、致し方ありません。
ここまでは、裁判長はきわめて事務的に無表情で粛々と裁判を進められたのですが、このあと急に優しい表情で私に「鳥居さんは、なるべく早い結審を望んでおられるのですよねぇ。お体のこともありますから、あまり長引かないほうが良いでしょうなぁ。さて、次はいつにしましょうか?」と聞かれたので、私は裁判長が急に人間的な優しさを出されてビックリしたのですが、「水曜日は診察日ですので、水曜日以外でしたら、いつでも構いません」と申し上げました。
すると裁判長は大きな黒いノートをパラパラと捲りながら、優しい眼差しで私に「えーぇ、では、3月10日はいかがでしょう。月曜日ですから」と聞かれたので、私は「ありがとうございます。3月10日で結構でございます」と答えました。
突然、裁判長は被告側弁護士に向かって「3月10日です。いいですね」と無表情に、少し厳しい口調で言われ、弁護士は「え、え、はい」と答えました。
この間、約30分。
あっという間に過ぎてしまいました。
まず裁判長と裁判官が退廷され、そのあと被告側弁護士と傍聴に来ていた2人が退廷し、私はその間、原告席上に広げていた訴状、上申書、証拠書類群、被告側の答弁書、片山哲さんの写真、懐中時計、筆入れ、手帳(予定表)を片づけるのに手間取ってしまい、退廷するのは最後になりました。私が退廷する時に、書記官さんが「緊張されたでしょう」と声をかけてくださり、私は「はい。何せ裁判は初体験ですから」と答えると、にっこり笑ってくださいました。
私は裁判所を出てすぐに最寄りのコンビニへ行き、上申書のコピーをとってホチキスで止め(私の筆入れには、シャープペンシル、三色ボールペン、消しゴムのほかに、小型のホチキス、三文判、小さな朱肉、スティック糊などを常備しているのです)、再び裁判所へ戻って、第11民事部の私の事件担当の書記官さんにコピーをとった上申書を提出して、帰途につきました。雪が舞っていました。
裁判初体験の感想は、けっこう事務的に機械的に進むものだなぁ。でも、想像していた程「厳格」な雰囲気ではなく、次回からは緊張せずに臨める。という思いを抱きました。
次回は3月10日。
また「法廷からのレポート(2) ― 2008年3月10日月曜日 ―」と題してご報告申し上げます。(了)
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