今朝から大阪は、どんよりと曇り、いまにも雨が降り出しそうな天気でしたが、そう寒くはありませんでした。
私は、第1回口頭弁論(2008年2月13日)同様、黒のスーツにエンジ色のネクタイ。金色のタイピン。スーツの襟にはバッジ。内ポケットには懐中時計。首からはギリシアの神々のお護りペンダントをかけ、その上に白いハーフコートを着、茶色の手袋をして、地下鉄で裁判所へと向かいました。
裁判所内の807号法廷に到着したのが13時15分。開廷していましたが、法廷内には書記官が1人だけおられました。
私が、開いていた法廷のドアをノックしたら、書記官が私のほうを振り向かれて「あぁ、こんにちはぁ」と、笑顔で迎えてくださり、原告席に案内してくださいました。
13時20分すぎに、被告側の弁護士1人だけが到着。前回と同じ若い弁護士なので、中島光孝氏ではなく、普門大輔氏だと思われます。そのすぐあとに、1人の若い男性が傍聴席に着席されました。この傍聴に来てくださった若い男性と私とは、面識がありません。
やはり、今回も被告側弁護士は、終始「苦虫をかみ潰したような」顔つきで、その表情やしぐさなどから、私よりもかなり緊張していることが、ありありと読み取れました。
13時30分ちょうどに裁判長が入廷され、書記官が皆にむかって事件番号を読み上げ、いよいよ裁判が始まりました。
しかし、やはり今回も被告は、自身が弁護士であるのに、自分の弁護を依頼した男性弁護士に任せて、本人は法廷に姿を見せませんでした。 私は、前回ほど緊張せずに裁判に臨むことができました。そして今回私は、後述のように法廷で被告側弁護士と論戦をしました。
定刻どおりに始まった裁判ですが、まず、裁判長が、私の提出した「準備書面」および「準備書面2」に間違いがないか、不備はないかを確認され、次に被告側の提出した「被告準備書面」とその追加証拠資料について、同じように確認をされました。
その後、裁判長が、原告(私)と被告側弁護士の双方に向かって「何か質問などございませんか」と尋ねられたので、私はすかさず手を挙げて席を立ち、「被告に質問がございます」と述べると、裁判長が「どうぞ」と了承してくださいました。
そこで、私は被告側弁護士に対して、
「被告は、弁護士であるにもかかわらず、被告自身の弁護を自分ですることができず、他者の弁護士、すなわち(指差して)、あなたに依頼し、しかも、被告自身は、前回の第1回口頭弁論にも、本日の第2回口頭弁論にも、法廷にすら姿を見せない。これは、けしからん事でしょう。被告は、被告自身が弁護士であります。このような弁護士は、弁護士としての資質に欠けるのではないですか。弁護士にとって、最も大切な法廷に姿を見せないとは、何事ですか。被告は弁護士ですから、これは、確信犯です。被告の行為は、社会正義を実現する法廷を、司法を、侮辱する行為ではありませんか。いったい、いかなる理由をもって、被告は、前回も今回も法廷にすら姿を見せないのか、どのような正当な理由があるのか。その理由の説明を求めたい」
と言って、着席しました。すぐに被告側弁護士が立ちあがり、
「その件については、お答えする必要は、ないものと思われます」
と述べ、着席しました。裁判長も「説明する必要はありませんね」と言われました。次に、被告側弁護士が立ち上がって、
「私からも原告に質問があります」
と言い、そのあと私に対して、
「被告から提出している証拠について、原告はその事実関係についての認否を明確にしておりません。被告側の証拠に対して、事実関係を明確にしていただきたい」
と述べました。そこで私はすかさず立ち上がって、
「当裁判の紛争の争点は、被告が、結果として、原告との契約の内容を履行したか否かであります。その事実は、被告が、契約内容を履行したか否かのみに存在するものであり、被告から提出されている証拠資料は、すべて、被告の契約履行の途中経過のみを示すものであって、結果として、被告が、契約内容を履行したか否かを証明する確たる証拠は、被告は、ただの1つも示していない。被告自身が、当紛争の争点にかかる事実を示していないものに対して、原告はその認否をできるはずがございません。当紛争の争点であり、事実として問題にしている事は、被告が、原告との契約内容を履行したか否かであり、その事実が、被告から示されていない以上、当紛争の争点に関する事実に対して、被告の提出した単なる途中経過の資料についての事実の認否などは、できないものと認識いたしております。あくまでも、当裁判の紛争の争点は、被告が、結果として、原告との契約の内容を履行したか否か、という事実のみであります。」
と述べて着席しました。すぐに被告側弁護士が立ち上がって、
「それは、認識の相違であります」
と述べて着席し、裁判長は「認識の相違ということなのですね」と被告側弁護士に念を押すように言われました。その後、十数秒ほどの沈黙があって、裁判長が、
「原告・被告、双方から、これまでに提出された証拠以外に、まだ提出すべきものがありますか」
と述べられたので、私は「ございません」と即答し、被告側弁護士も続いて「ありません」と答えました。すると裁判長は、
「では、これで弁論を終結します。判決の言い渡しは、4月23日、水曜日でよろしいか」
と、弁論の終結を宣言され、判決の言い渡し日を述べられましたので、私も被告側弁護士も「結構でございます」と答えました。
ここで、傍聴に来ていた若い男性は、帰られました。
裁判長は、ここまでは、前回の口頭弁論と同様に、無表情で粛々ときわめて事務的・機械的に裁判を進められたのですが、このあと急に優しい、とても穏やかな表情で私に、
「判決の言い渡しは、ここ(法廷)で主文を読むだけで、その主文と判決の理由を書いた文書は、言い渡しの日に、あなたのところに郵送しますから、しんどかったら、わざわざ出かけて来なくてもいいですよ。すぐに郵送しますから」
と、私の体調を気遣って、とても人間的な、あたたかく優しい言葉をかけてくださいました。私は、鳥肌が立つぐらいに感激し(うるうるした目で)、
「はい。ありがとうございます」
とお礼を申し上げましたが、心の中では「次も、この裁判長に会いに来るぞ」と決めました。
このあとすぐに裁判長が退廷されました。ここまで約20分。やはり、あっという間に過ぎてしまいました。
そして、すぐに被告側弁護士も立ち去り、私が原告席上に置いていた書類群を鞄の中に収めて法廷を出る時には、書記官が「お疲れさまでした」と優しく声をかけてくださいました。私は「ありがとうございました」とお礼を述べて、裁判所を後にしました。
裁判所を出ると、青空が広がり、明るくあたたかい、春の陽の光に包まれました。
さて、4月23日が運命の日。判決の言い渡しです。
「法廷からのレポート(3) ― 2008年4月23日水曜日・最終回 ―」と題して、またご報告申し上げます。(了)
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