1.鳥居、大阪地方裁判所広報部に電話をする。
【鳥居:質問】
経済先進国の中で、陪審制・裁判員制もしくはこれと類似した司法制度を有している国はどこか。
【広報部:回答】
陪審制 : アメリカ、イギリス、カナダ
参審制 : ドイツ、イタリア、フランス
【鳥居:質問】
我が国でも、かつて大正13年に制定され、昭和3年から昭和18年までの間において、刑事事件に関して陪審制が施行されていたが、その時の裁判記録の保管場所を知りたい。またできれば閲覧したい。
【広報部:回答】
おそらく、その記録は残っていないものと思われる。裁判所ではわからない。いちど検察庁に問い合わせて欲しい。
2.鳥居、検察庁に電話をする。
【鳥居:質問】
我が国でも大正13年に制定され、昭和3年から昭和18年までの間において、刑事事件に関して陪審制が施行されていたが、今後施行される裁判員制の参考資料として、かつての我が国における陪審制の裁判記録を閲覧したい。
【検察庁:質問】
どのような理由で、そのような記録を閲覧されたいのか。
【鳥居:回答】
今後施行される裁判員制についての参考資料としたい。具体的には、昭和3年から昭和18年までの間の刑事事件について、どのような事件について、またその事件の背景について、当時の陪審員がどのような意見を持ち、どのような発言をし、どのような判断をし、どのような判決に至ったのか。それが現在の価値観とどの程度の相違があるのか、または相違が無いのか。我が国の文化や国民の価値観に、陪審制やこれに類する裁判員制は相応しいのか。今後の裁判員制を考える資料としたい。
【検察庁:回答】
かつての我が国の陪審制の記録は残っていない。どこにもないであろう。
【鳥居雑感】
裁判員制を施行するにあたって、かつての陪審制の記録が全く残っておらず、これを参考にできない状況にあるとは、たいへん驚いた。憂慮すべき事態ではないか。裁判員制を推進する諸君は、諸外国の事情を参考にするしかない状況である。はたしてこれで、かかる制度が、我が国の文化・価値観に相応しいものかどうかの判断はできない。即ち「出たとこ勝負」でしかないということだ。このような状況で裁判員制に突っ走って良いものだろうか?
私は裁判員制については「いま導入する」ことには慎重な意見を持っている。
過去の事例を検証することができず、まだまだその仕組みについての国民の認知度も低い段階では、あと10年単位での、大衆レヴェルでの議論が必要なのではないか?
国民が充分に理解していない段階で、「お上」から一方的に制度を押し付けるのは、拙速ではないのか?
ほんとうに、かつての陪審制の記録が残っていないのだろうか?
それとも、残ってはいるが、裁判員制推進にとって悪材料となりうるから「残っていない」ということになっているのか?
いくら戦前・戦争初期の頃の事とはいえ、重大刑事事件の裁判記録が一切「どこにも残っていない」とは、少々不自然ではないか?
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