『ナチス被害者への損害賠償裁判 ― 別荘の抵当権設定を認める ― 』
イタリア最高裁は、コモ湖畔の素晴らしいヴィラ(別荘)でドイツ国所有の独伊文化センター、ヴィラ・ヴィゴーニを、ギリシャのナチ被害者への損害賠償のための抵当権として設定することを認めた。
1944年にギリシャのディストモ(アテネから180キロほど東の町)でドイツ軍が女性と子ども218人を虐殺したことに対し、遺族が6000万ユーロの損害賠償を請求している。ギリシャの法廷は、アテネのドイツ文化会館ゲーテ・インスティチュートの差し押さえを認め、没収寸前までいったが、法務大臣が拒否権を発してストップさせた。
イタリアでは、93年に憲法裁判所が「戦争犯罪に関する損害賠償は、別の国にある財産を使って請求することもできる」との判決を出しており、ギリシャの遺族の弁護士がこれを利用してイタリアで裁判を起こし、1年前にフィレンツェの高等裁判所がヴィラに2万5000ユーロの抵当権を設定することを認め、今回、最高裁がこの判決を確認した。
これによって、競売を請求できることになったが、最終的にどうなるかはドイツ政府の対抗手段にもよる。もし韓国や中国の慰安婦問題の被害者が、損害賠償のためにイタリアの裁判所にローマの日本文化会館の差し押さえを請求する訴えを起せば、認められるかもしれない。
(茜ヶ久保徹郎・ローマ通信員)
【出典】
『社会新報』 2008年6月25日号 第7面より
(社会民主党全国連合機関紙宣伝局発行)
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