鳥居正宏のときどきLOGOS

アムネスティ・インターナショナル会員、社会民主党党員の鳥居正宏が、政治・社会・文化・国際問題などについて、時々に感じることを個人的に書き綴ります。 (C)無断転用・無断転載不可。全ての記事の著作権は鳥居正宏にあります。

昨日、在日韓国人の学生さんと話しをする機会があった。彼とは、たまに顔を合わす。とても真面目で気の優しい男の子である。話しの内容は、たわいもない世間話だが、その子と話しをしているなかで、私は、


仲@ukiukiさんのブログ『多文化・多民族・多国籍社会で「人」として』の記事、
「日本人でよかった」まるたまちゃんvs.「外国人参政権」?♪田中康夫に、うさエール♪「国際救援隊」もあるよ。
http://ukiuki.way-nifty.com/hr/2007/08/post_6676.html


の内容が頭の中をぐるぐるとまわっていた。


そう、丸川珠代氏といえば、選挙人名簿に登録されておらず、期日前投票ができなかった(にもかかわらず立候補し当選までしてしまった)、現・自民党参議院議員なのだ。


8月18日に、この私のブログでも『ふとした疑問 −公園生活の人たちの選挙権は?−』というタイトルで、『日本国憲法』と『公職選挙法』との矛盾点を指摘し『公職選挙法』は、きわめて排他的であり、『日本国憲法』の精神に反する「悪法」ではないかと、問題を提起した。


詳細は上記8月18日の記事で法律的に検証しているので繰り返さないが、『公職選挙法』の規定は「選挙人名簿に登録のない者は、投票できない」というものである。つまり「実質的」に、選挙人名簿に登録のない者に選挙権はない。という事である。


にもかかわらず、丸川氏は、なぜか立候補し、当選までしてしまった。
選挙人名簿に登録のない丸川氏に選挙権があったのだ!


私は、彼女を当選させた市民の良識を疑ういっぽうで、彼女の功績は、仲@ukiukiさんも述べられているように、たいへん大きなものだと思う。


なぜなら、彼女は『公職選挙法』をぶっ壊したからだ!


つまり「選挙人名簿に登録のない者でも立候補して当選できた!」ということは、すなわち「選挙人名簿に登録のない者にも参政権はある!」ということを、彼女は身をもって実証してくれたのだ。


彼女の当選によって『憲法』よりも、もっと早急に(今日・明日にでも)『公職選挙法』こそ「改善」されなければならない。


例えば「選挙人名簿に登録のない者にも参政権はある」ということは、永住しておられる在日外国人の人たちにも、参政権は存在しなければおかしい。「役所に届け出た場所に3ヵ月以上定住していない」という理由で選挙人名簿に登録のないホームレスの人たちにも、参政権は存在しなければならない。


では、どのようにして、この人たちにも投票してもらうシステムをつくるか?


具体的には、8月18日の記事で提案した。またその記事に村野瀬玲奈さんから、イタリアのローマ市でのすばらしい施策の紹介のコメントもいただけた。ぜひそちらも参照していただきたい。


いまこそ、閉鎖的・排他的な選挙制度を変えるべきだ。『公職選挙法』を「改善」すべきだ。そのチャンスは今しかない。もし、このまま何もかわらなければ、丸川氏の当選の意味はない。いや、不法行為で迷惑だ!


参政権は、民主主義社会の根本であり、最も基本的な市民権である。その基本的市民権が、永住しておられる在日外国人の人たちやホームレスの人たちにも存在するということは、それに付帯してくる全ての市民権も同時に存在しなければならない。


市民権とは、何もかもを含めて「市民権」であって、参政権だけを付与して他の権利を付与しないということはできない。参政権は市民権の核の部分であるから、そのまわりに付帯する他の全ての権利も自然とついてくるはず。


丸川氏の投じた一石の波紋は、果てしなく広がって行く。いや、私たちが、次々と後を追うように、その波紋を果てしなく生じさせてゆかなければならない。


さっそく、リアルの、在日外国人の人権問題やホームレスの人たちの人権問題に取り組まれている、いくつかの団体さんに提案してみよう。運動が広がって欲しい。世の中がかわって欲しい。この閉塞感に包まれた社会が、多国籍・多文化共生社会へと歩み出して欲しい。


この記事を読んでくださっている、議員さんや弁護士さん、はやく『公職選挙法』を「改善」することを、真剣に考えてくださいませんか?


(C)無断引用・無断転載不可。全ての記事の著作権は鳥居正宏にあり、日本国の著作権法及び国際条約によって保護されています。




テーマ:政治・地方自治・選挙 - ジャンル:政治・経済

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コメント

その通りだと思います。在日の人は日本にずっと住んで税金も納めていますが、国籍が違うと言うだけで選挙権がありません。不公平だと思います。

  • 2007/08/30(木) 23:37:49 |
  • URL |
  • 論破君 #-
  • [編集]

はじめまして

論破さま

はじめまして。
鳥居でございます。

私の記事に賛同していただき、とても嬉しいです。ありがとうございます。

どこの国籍の人であろうと、この国に永住していれば、この国の市民権が得られるのは当たり前だと思うのですが、その当たり前が通じない現実の排他的・閉鎖的な「鎖国」社会を、変えてゆかなければいけませんね。

がんばりましょう!

  • 2007/08/31(金) 00:26:17 |
  • URL |
  • 鳥居正宏 #h0j/NQls
  • [編集]

国民新党の大きな功罪

鳥居さん、おはようございます。記事の紹介ありがとうございます。

ほんとうに、せっかくの機会なので、丸川氏の当選を鳥居さんご提示の方向に活かしていかねばと思います。

そして、実を言うと、国民新党の参院選での動きにも、似たような思いを感じています。ペルー国籍を持つペルーの「元大統領」を日本国籍を根拠に選挙に出馬させるくらいなら、重国籍を容認する運動に力を貸してね、と。

こう考えると、なんだか意外な形でうれしい方向へ向かう力を呼び起こしうるという、なんとも奇妙な参院選挙だった気がしてきます。

重国籍の容認も必要ですね。

仲@ukiukiさん
こんにちは。
鳥居でございます。

とても貴重なコメントをありがとうございます。
おっしゃる通り、国民新党にも大きな功罪がありましたね!
そのことにまでは気づかなかった私は、恥ずかしいです。
さすが、仲@ukiukiさん!

フジモリ氏は重国籍(ペルー国籍と日本国籍)にもかかわらず、立候補しましたね。

国際法上では「(あくまで)原則」として、重国籍は認めていませんが(それは、何かあった時に、1人の人間が複数の国家の国内法に拘束されてしまうため)、現実には、欧米諸国では、重国籍は政府が「容認」していますね。(※)

これも、永住されている在日外国人の人たちにとっては、大きな問題であり、日本政府の重国籍容認(公認)は、彼らのアイデンティティを尊重する光明となるでしょう。

どこの国出身の人でも、日本に住んでいるからには、日本人と同等の権利(市民権)があって当り前。そして、自分の出身国への愛着と誇りを持っていて当り前。

その「当り前」を実現してゆく良い機会が来ているのかもしれませんね。

このまたとないチャンスを、最大限に活かしたいです!

(※)追記:仲@ukiukiさまからのご指摘によって、確認したところ、これは私の認識の誤りでした。最新の私のコメントで、この部分を訂正しております。お詫び申し上げます。

  • 2007/08/31(金) 17:24:14 |
  • URL |
  • 鳥居正宏 #h0j/NQls
  • [編集]

鳥居さん、こんにちは。

>国際法上では「(あくまで)原則」として、重国籍は認めていませんが(それは、何かあった時に、1人の人間が複数の国家の国内法に拘束されてしまうため)、現実には、欧米諸国では、重国籍は政府が「容認」していますね。

ここでいう「国際法」とは、具体的にどの条約なんでしょうか。

『新版 外国人参政権と国籍』(近藤敦、明石書店、2001年4月)
には、以下の一文があります。

>>今日、「人はいずれかの国籍一個のみを有すべき」という国籍唯一の原則は国際法上のルールではない。

>>一九九三年に、欧州評議会は、移民の二世の統合と国際結婚の家族の国籍の一体性を高めるために、重国籍を認める第二議定書を提案し、一九九七年のヨーロッパ国籍条約は、一般に重国籍を中立の立場で容認した。

また、『国際条約集2003年版』を眺めてみても、それらしい条約は見当たりません。
国際慣習法ということであれば、すでに単一国籍の原則はすでに過去のものになっているように思うのですが。

ご指摘ありがとうございます


仲@ukiukiさん
鳥居でございます。
ご指摘ありがとうございます。

ご指摘の件。
私の頭の中には、
(山本草二『国際法』有斐閣2001)のなかの記述に:

(ア)重国籍者は第三国では1個の国籍だけを持つ者として待遇され、複数の国籍国のうち、本人が常住的で主要な居所を有する(米英法系諸国の国際私法の原則)かまたは事実上最も深い関係にある1国(ヨーロッパ大陸法系諸国の原則)の外交的保護を受ける(「国籍法抵触ヘーグ条約」第5条)このような地位は、「実効的または能動的な国籍」とよばれる。

(イ)他方、重国籍者は、それぞれの国籍国によりその国民としてみとめられる反面、これら国籍国相互の間では本人について外交保護権を行使できない。

もっとも、その根拠については、判例上も混乱がある。1つは、常住、公職への関与など「真正結合」を基準にして重国籍者のいずれかの一方の国の国籍だけを有効とみとめ、したがって、他方の国籍はそもそも存在しないものとして、その国の外交保護権の行使を否認する立場である(ペルーに対するイタリア外交保護権をしりぞけた、1912・5・3「カネヴァロ事件」常設仲裁判決。XI R. I. A. A.,397)
(以上、上記文献の第8章「国籍の法的効果」第206節「国籍の抵触」506頁)

というのがあって、「原則として重国籍者は、国籍国相互の間では本人について外交保護権を行使できない」ことから、原則として重国籍は、国際法上認めていないものと認識(思い込んで)おりましたが、改めて(『解説 条約集』2003 三省堂)を参照してみましたところ、

「国籍法の抵触についてのある種の問題に関する条約(国籍法抵触条約)」
【第3条】「重国籍者に対する各所属国の取扱」
この条約の規定を留保し、二個以上の国籍を有する個人は、保持する国籍の所属国の各が自国の国民と認めることができる。

と明記されておりました。

仲@ukiukiさんのおっしゃる通りです。ここに謝罪し、訂正させていただきます。

貴重なご指摘をありがとうございました。
感謝申し上げます。

  • 2007/08/31(金) 23:38:57 |
  • URL |
  • 鳥居正宏 #h0j/NQls
  • [編集]
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